(マレーシア)マレーシア厚生省は9月1日、国内で初めてジカウイルス感染症の疑い例が見つかったと発表した。
患者はセランゴール州クランのバンダル・ボタニック(Bandar Botanic)に住む58歳の女性で、シンガポールで感染した可能性が高いという。
女性は夫と一緒に、娘に会いに8月19日にシンガポールを訪れた。21日に帰国し、28日に湿疹がではじめ、30日にクランのクリニックで治療を受けた。
医師は、患者がシンガポールから戻ったこと、シンガポール在住の娘がジカ熱に感染していることなどから、ジカ熱感染の可能性が高いと診断、スンガイブロー・ホスピタルに行くよう指示した。
同病院で尿検査の結果、31日に陽性と判定された。厚生省は血液検査の結果を待って、女性をマレーシア初のジカ熱患者と認定する方針。
ジカウイルス感染症
ジカウイルス病は、後天的に、ジカウイルスが感染することにより起こる感染症で、軽度の発熱、発疹、結膜炎、関節痛、筋肉痛、倦怠感、頭痛などが主な症状。
ジカウイルスは母体から胎児への感染を起こすことがあり(先天性ジカウイルス感染症)、小頭症などの先天性障害を起こす可能性がある。ジカウイルスを持った蚊がヒトを吸血することで感染する(蚊媒介性)。
基本的に、感染したヒトから他のヒトに直接感染するような病気ではないが、輸血や性行為によって感染する場合もある。また、感染しても全員が発症するわけではなく、症状がないか、症状が軽いため気付かないこともある。
(9月1日NST、スター、東方日報、サン)