孤独抱え困難に直面する高齢者

(マレーシア)クアラルンプールのプドゥ統合商業コンプレックス(ICCプドゥ)で1月下旬、高齢者を対象にした無料の食事券の配布をおこなった際に予想以上の人が殺到、もみあいになったことから、チェオン・ポーさん(85)とラウ・イオンナンさん(78)の2人が呼吸困難に陥ってなくなる事態にいたった。
 こうした悲劇が起こったのは、安全対策が不十分だったのが一因との指摘が出る一方、都市部に住む高齢者が抱える問題を抜きにして問題を論じることはできないとの声もあがっている。
 プドゥ地区の路上で5年ほど生活しているというジャック・タン・ホックジンさん(84)は、「ICCプドゥの周辺には高齢者をはじめとしたホームレスが200人ほど居住し、明日をも知れない生活を送っている」と語る。無料の食事提供が受けられると聞けば、こうした人たちが集まってくるのは自明の理だとも。
 著名社会活動家のリー・ラムタイさんは、高齢者に対する配慮や関心の欠如が今回の悲劇を招く要因になったと指摘。
 貧困だけが高齢者を無料の食事券に殺到させる原因になったわけではないと問題提起する筋もある。チェラス選挙区選出のタン・コクワイ国会議員は「2030年には高齢者の人口比が15%にまで上昇すると予測されるマレーシアは急速に高齢社会に向かいつつあり、取り組むべき課題も多い。都市の高齢者は貧困だけではなく、孤独や倦怠感に包まれているという問題もある」と指摘。無料の食事券配布といったイベントに出かけることで、しばしの間だけでも孤独や倦怠感を晴らせると思う人も少なくないのでは、との考えを示した。
 政府や社会が高齢者に支援の手を差し伸べないままであれば、このたびのような悲劇の再来もありうるというのがタン議員の見方だ。マレーシアも高齢社会対策が急務の段階に入ったようだ。
(1月31日スター)

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