ホームレスが増加する台湾

(台湾)台湾で職を失うなどしてホームレスになる人の数が増加し、社会問題化している。
 新北市の一時保護施設に収容されたヤン・チュンファンさん(61)も、ホームレス化したひとりだ。ヤンはかつて家屋や事務所の塗装職人として月2000米ドルの収入を得ていたが、病気になり職を失った。十分な貯蓄も支援してくれる家族や友人もなかったヤンさんはたちどころに家賃が払えなくなり、住む場所を失った。「まさかこんなことになるとは」と嘆くヤンさん。

路上生活

 同じ保護施設で暮らすス・インチさん(58)も3ヵ月ほど路上での生活を体験した。働いていた工場が中国に移転し、失職したためだ。公園での野宿を余儀なくされたスさんは、夜9時に公園で寝て翌朝5時には起きてその場を去らなければならないというつらい体験をしたという。
 しかし、ヤンさんやスさんは一時避難する場所を見つけられただけでも幸運といえる。この保護施設では、宿泊の便宜のほか、食べ物や医療手当を提供。警備員や掃除夫、看板かつぎ(サンドイッチマン)などのパートタイム職などを斡旋している。

社会復帰

 新北市社会福祉局のクオ・フンシェン局長は「当局ではまず収容者の精神的・物理的な必要性に対処に向けて支援し、彼らが安定を取り戻した時点で仕事をさがし、社会復帰する手助けをしている」と語る。
 台湾の衛生福利部によれば、ホームレス化する人の多くは50歳以上の男性ブルーカラー労働者だ。働いていた工場が中国や東南アジア諸国に移転して、職を失うケースが多い。また近年、貧富の格差が拡大していることもその動きに拍車をかけている。

貧富の差が拡大

 財務部のデータによれば、2016年の年収15万米ドル以上の富裕層5%の平均収入は、最底辺層5%の収入の100倍以上で、この10年で格差はほぼ2倍に広がっている。最低賃金が上がらないため、生活苦に陥る低所得家庭も増えている。
 衛生福利部が公表した公式データに基づけば、2017年の台湾のホームレス数は9300人で、13年時との比較で倍増している。しかし、同部筋はそのホームレスの数には過大概算や予備軍を含めているとして、実数は2600人程度であると主張する。

台湾のホームレス

 台湾当局が規定するホームレスには、失職者、病気などで働く能力を失い、家賃が払えなくなった人、独居高齢者の3タイプがある。実際に路上で生活せざるを得なくなった人をホームレスと定義している。
 これに対してアカデミア・シニカのリン・トゥンホン準研究員は「ホームレスの定義を厳格化することで、問題の厳しさが見えなくなる恐れがある。路上で生活している人の家族が地方に農家などを保有している場合、その人はホームレスとはみなされなくなる」と問題を提起する。
 「問題を深刻化させている一因に少子高齢化がある。賃金があがらず、子どもを作るゆとりがない層が増え、結果的に高齢になったときに社会的に見捨てられた状態になってしまうという状況も考慮すべきである」と、警鐘を鳴らしている。
(9月23日チャンネル・ニュースアジア)

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