[政策の可視性と安定性が最重要」

(マレーシア/経済) 「中央銀行の政策実施の際は常に可視性が重要視され、民間からのフィードバックも重視する。特に重要な政策がある場合は公衆を招きコメント、批判、アイデアを求めたい。これはバンク・ネガラの従来からの基本方針であり、今後も継続される重要な原則だ」。
5月2日に就任1周年を迎えたマレーシアの中央銀行バンク・ネガラのムハマド・イブラヒム総裁が中央銀行総裁として最重要視するものについて、このように述べた。総裁の発言は4月末にラブアンで開催された記者会見の席上でなされたものだ。

可視性と安定性が何よりも重要、顔が見える政策を
 
 「就任から1年で様々な事が起きた」との感慨を漏らすムハマド総裁の中央銀行運営のモットーは可視性と安定性の重視だ。
 総裁が報道陣からの全ての質問に丁寧に答えることから、総裁の記者会見は以前よりも長時間に渡るようになった。
さらに新たな施策や政策のメディアへの発表ををバンク・ネガラの上級幹部に担当させ、一般がバンク・ネガラの上級幹部を個別に認知するよう心がけている。これも施策運用の可視性を高めるというムハマド総裁の基本方針に即した動きだ。
 
新施策は徐々に運用させていく

 ムハマド総裁は自身の新たな中央銀行運営の理念の導入は急がない考えだ。 
 「中央銀行の任務に終わりはない。常に新たな施策に対応する必要があり、同時に業務の可視性の確保も常に要求される。拙速は慎み、一般の施策への理解と周知を重視する」とムハマド総裁は自身の考えを説明する。
 過去3カ月間にわたり、コーポレート・ガバナンス、特に可視性、行政の政策説明責任、フェアプレイの重要性がバンク・ネガラ及びその取締役会役員から再三にわたって強調された。
 これは中央銀行の独立性維持という観点にもつながり、各調査機関がバンク・ネガラを高く評価する部分でもある。

健全な経済発展は金融、通貨政策の安定性が鍵となる

 ムハマド総裁は健全な経済発展を保証する鍵は金融及び通貨政策の安定性と予測可能性だと強調した。その言葉を裏付けるように、バンク・ネガラは昨年より決済手段、保険システムさらにイスラム金融の細部にわたる調整を続けている。
 バンク・ネガラは昨年新設された金融市場委員会(FMC)の提言を取り入れ、国内ボンドマーケットの資金流動性強化及びオフショア金融市場の強化拡大を目的にした施策を導入し、5月2日より発効した。FMCは中央銀行幹部、証券業者、金融サービス業者などから構成されている。
 しかしムハマド総裁は金融市場インフラの整備は12カ月から18カ月の時間をかけ徐々に進行させていく意向だ。
 昨年12月より、オンショア外為市場は活性化し、リンギの対米ドル交換レートも改善に向かっている。「リンギの需給関係は以前よりバランスのとれた動きになるものと期待している。現時点での強固なファンダメンタルがその背景にある」とムハマド総裁は中央銀行の各種施策の成果を強調する。

ASEAN統合銀行業務枠組の立ち上げに意欲

 バンク・ネガラは現在、ASEAN統合銀行業務枠組(Asean Integration Banking Framework)立ち上げに強い意欲を示しており、この動きの中でインドネシア及びフィリピンの中央銀行との間で複数の協定に調印している。
 「貿易と金融は密接にリンクしている。貿易業務を自国通貨で決済できれば、業務の安定性が高まり、複数の決済通貨を選べるようになる。これは業務関連経費の削減にもつながりメリットが多い。

<1984年入行、数多くの要職を歴任>
 16年間にわたりバンク・ネガラ総裁を務めたゼティ・アクタル・アジズ氏の後任に使命されたムハマド氏は今年57歳。ハーバード大学で修士号を取得し1984年にバンク・ネガラに入行した。総裁就任前はバンク・ネガラに於いて国際通貨備蓄及び通貨市場の管理、外国為替業務、民間銀行の監督、保険及びオフショアバンキング業務などの要職を歴任した。
(5月2日 NST)

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