元首相、「フォレスト・シティー」を再度批判

(マレーシア)ジョホール海峡に人工島を開発する巨大プロジェクト「フォレスト・シティー」について、1月21日夜、マハティール元首相がまた批判を展開した。
 国民信任党 (Parti Amanah Negara) ティティワンサ支部とセプテ支部が共同開催したフォーラムで元首相は、<中国企業による「フォレスト・シティー」への投資は問題だ。外国人(中国人)の土地所有により、マレーシアの主権が弱まることになるだろう>と批判した。
 司会者は、「(首相ではない)ある人の意見に反対した元首相の発言で、ジョホール州における(元首相率いる)ブミプトラ団結党(PPBM)に悪影響が出るのではないか?」と質問した。ある人とは元首相を批判したジョホール州スルタンを指すものとみられる。これに、元首相は以上のように答え、さらに次のように続けた。 
 「私のこの見方は、その人の意見よりもっと多くの支持を得ていると思う。私は反中国でも反外国でもないし、外国直接投資にも反対しない。ただ、外国人に土地の所有を認め、中国からのバイヤーが大挙やってくることは長期的にみればマレーシアの主権を弱める事になると考える」。
 なお、元首相は、「フォレスト・シティー」への批判は11月22日付のブルームバーグの報道<中国企業は人口70万人の「フォレスト・シティー」を開発するが、これに中国のバイヤーが飛びつくだろう>に基づくものと認めた。その上で、元首相はさらに以下のように語った。
 「中国がマレーシアの産業に投資することを歓迎する。だが、インド人やパキスタン人の大量移住を歓迎しないように、中国に対しても同じスタンス(集団移住を認めない)をとるということだ」。

スルタン批判の経緯

 ジョホール州スルタンは英字紙ザ・スターとのインタビュー(1月16日付に掲載)の中で、「『フォレスト・シティー』に建設されるコンドミニアムは、埋め立て地につくられる。外国人バイヤーはそれらを買う訳で、コンドミニアムを自国に持ち帰ったり、埋め立て地をどこかに持って行けるのか、元首相に尋ねたい。元首相は、ジョホール経済を損ないたいだけだ」と語った。

政府、ジョホール州の反応

 昨年11月26日、マラッカ州アヤ・ケロで催された野党マレーシア・ブミプトラ団結党(PPBM)主催の座談会の席上、PPBMのマハティール議長(元首相)は、「政府は、ジョホールの『フォレスト・シティー』に中国から70万人を移住させ、彼らにマレーシア国籍を与えるつもりだ。それも次期総選挙で与党連合に投票させるためにだ」と驚くべき発言をした。
 これに対して、ジョホール州のカレド州首相は12月4日に反論を展開して、以下のように語った。
 「プロジェクトは完成に30年かかる長期計画で、30年後には外国人70万人の居住を見込んでいる。しかし、70万人全てが中国人になるとは限らない。元首相はジョホール州の発展を望んでいないようだ」。
    
「フォレスト・シティー」とは

 2016年3月に起工式が開催されたジョホールの人工島開発プロジェクト「フォレスト・シティー」は、イスカンダル計画の中でも最大規模のプロジェクトだ。
 同プロジェクトは、中国の不動産開発業者カントリー・ガーデン・ホールディングス(碧桂園集団)とジョホール州政府子会社クンプラン・プラサラナ・ラクヤット・ジョホールによる合弁会社カントリー・ガーデン・パシフィックビュー(CCPV)が手がける。
 ジョホール州南部の海域(ジョホールバルとシンガポールを繋ぐセカンドリンク付近)を埋め立て、4つの人工島を造成する「フォレスト・シティー」プロジェクトは東京ドーム約300個分に相当する約14平方kmの敷地に住宅や商業施設、ホテル、病院、学校、国際会議場などを建設する。
 開発期間20年、総投資額約2000億リンギの巨大プロジェクトで、2035年までに金融や電子商取引など高付加価値型の産業を中心に22万人分の新規雇用を見込んでいる。
(1月23日スター)

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