リンギ下落、外国人労働者にも打撃

(マレーシア)このところのリンギの下落がマレーシアで働く外国人労働者の賃金にも影響をおよぼし、労働者の国外流出による人手不足が発生するとの懸念が雇用主の間で高まっている。

大幅に下落

 米大統領選挙でのドナルド・トランプ候補勝利による余波でアジア地域の通貨は軒並み下落。なかでもリンギの対米ドル・レートは11月の1カ月間に5.4%下がり、アジア地域では日本円に次ぐ下落幅を記録した。
 シンガポールドルとのレートも1シンガポールドル=3.12リンギにまで下がり、インドネシア・ルピアやバングラデシュ・タカに対するレートも下がっている。
 そのため、これらの国から出稼ぎに来ている労働者は故国送金額が目減りする事態に直面している。

賃金が37%目減りしたケースも

 たとえば、クアラルンプールのスリハルタマスにある人気パブでフロア・マネージャーを務めているバングラデシュ人は「6年前にマレーシアに働きに来たときと比べると、リンギの下落により賃金が37%も目減りした形だ。故国の家族への仕送りやダッカの雇用あっせん機関への借金返済にも事欠くような事態になりつつある」と苦境を吐露している。

1998年以来の資本規制の懸念も

 マレーシアでは1997年に発生したアジア経済危機に際し、翌98年に資本規制を導入した。この経験から、リンギのこれ以上の下落阻止に通貨規制当局が資本規制を施行するとの懸念が出はじめ、これもリンギ下落に拍車をかけている。
 ただし、マレーシア中央銀行のバンク・ネガラは繰り返し、資本規制を導入する意向はないと言明し、通貨下落への予防線を張っている。

合法の外国人出稼ぎ労働者は210万人

 マレーシアには合法の外国人労働者が210万人就労しているほか、未登録外国人労働者が220万人存在する。政府は外国人労働者の比率を労働人口総数1540万人の15%以内に抑える方針を打ち出している。しかし、その目標値をかなり上回っているのが現状だ。
外国人出稼ぎ労働者流出の懸念が出てきたことを受け、マレーシア雇用連盟は国内に居留する難民約16万人が、外国人出稼ぎ労働者の代替として就業できるよう政府に働きかけている。

逆に好機との指摘も

 この提案に対してエコノミストの間からは、「外国人労働者や難民への過度の依存は、付加価値を高めマレーシアの経済競争力を向上させる地元企業の努力を妨げる可能性もある」との指摘が出ている。外国人出稼ぎ労働者の流出はマレーシアの経済にとって好機となる可能性がある。
(12月2日ストレーツ・タイムズ)

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